NTTコミュニケーションズ (以下 NTT Com)は、クラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」において、スズキ教育ソフト株式会社が提供する統合型校務支援システム「evanix」との連携を開始します。これにより、「まなびポケット」から「evanix」に対して多要素認証等を用いたシングルサインオンが可能になります。
さらに、これまで「まなびポケット」にて提供していた「ダッシュボード」※1に「evanix」が持つ校務系データを連携することで、校務系・学習系データの統合的な可視化が可能になります。

１．背景
学校現場では、業務の多様化や勤務時間の増加といった教職員の負担が大きな課題となっており、働き方改革が求められています。文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」※2（以下 ガイドライン）の改訂に伴い、適正なセキュリティ対策を導入することで、学習系と校務系ネットワークの統合が可能となりました。これにより、自宅など校外からも校務系システムにアクセスできるようになり、場所を選ばない働き方を推進できる可能性が広がりました。「まなびポケット」では適切なセキュリティ対策をして統合型校務支援システムにシングルサインオンできる機能として「統合認証サービス」※3を提供しております。
また、文部科学省が示す学校教育における次世代の校務DXでは、校務系・学習系システムを接続し、各種データをダッシュボードにより統合的に可視化することで、学校経営・学習指導・教育政策の高度化を図ることが求められています※4。NTT Comでは自治体担当者の負荷を軽減しながらも学校現場で利活用され、行動変容に繋がる「ダッシュボード」を探求し続けております。これまでMEXCBTや学習コンテンツのアクセス状況など学習系データの「ダッシュボード」への表示を行ってきましたが、校務系データも統合的に可視化することで、教育委員会や教職員による児童生徒一人ひとりに応じたきめ細かな指導の充実や学校経営の高度化をサポートします。

2．サービスの概要
それらの背景を踏まえ、以下の「まなびポケット」の2つのサービスにおいて、新たに「evanix」との連携を開始いたします。
（１）統合認証サービス
「まなびポケット」は2023年2月から統合認証サービスを提供開始し、以下（a）~（c）の3つの機能を提供しております。

（a）統合型校務支援システムとの認証連携機能
認証連携可能な統合型校務支援システムとして「evanix」を追加します。

（b）多要素認証機能
統合型校務支援システムをインターネット経由で利用する場合に、ガイドラインに対応した多要素認証を行うことができます。具体的には、「まなびポケット」にログインした後、統合型校務支援システムにアクセスする際に多要素認証を行うことでセキュアに統合型校務支援システムを利用できます。また追加で「情報端末制限機能」をご利用いただくことで、多要素認証を実施可能な端末を、管理者の元であらかじめ設定を行ったPCに制限することができます。（情報端末制限機能の利用に追加料金や追加申込は不要）

（c）リスクベース認証機能
「まなびポケット」をご利用いただく場合にリスクが高いアクセスかを判定し、リスクが高いと判断した場合に追加で多要素認証を求めます。

＜3つの機能のご利用イメージ＞

（２）ダッシュボード
「まなびポケット」にて提供中の「ダッシュボード」の状態把握画面内のカードに校務系データが追加可能となります※5。教育委員会や教職員は、校務系データと学習系データを一つの画面で確認することが可能になり、児童生徒の変化やSOSを早期に発見しやすくなります。さらに、組織的に情報を把握できることで、教職員や児童生徒への支援をしやすくなります。

＜左：ダッシュボードの状態把握画面　右：校務系データを基に追加可能なカード例＞

※ この画面は提供開始前のもので、実際に提供される際には変更される場合があります。

3．今後の展開
「まなびポケット」は今後も統合型校務支援システムとの連携を拡大し、表示するデータを充実させることに加えて、データの取り込み機能やデータを分析していく探索画面の提供など、「ダッシュボード」の機能を一層強化していきます。これにより先生の負荷軽減を実現しつつ、児童生徒一人ひとりに応じたきめ細かな指導の充実や学校経営の高度化をサポートします。

※１：「まなびポケット」の「ダッシュボード」紹介ページ参照（https://manabipocket.ed-cl.com/dashboard/）
※２：「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」とは 文部科学省が策定した、地方公共団体が設置する学校における情報セキュリティポリシーの考え方や内容を示したガイドラインを指します。
※３：2023年2月10日ニュースリリース記事参照（https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2023/0210.html）
※４：引用元「GIGAスクール構想の下での校務DXについて～教職員の働きやすさと教育活動の一層の高度化を目指して～」
※５：校務系データの追加は別途有償のご契約が必要となります。