ICT活用先進校が実践する、タブレット持ち帰り学習とは

福島県新地町。これまで数多く、国の実証事業において実証地域に採択され、現在も「スマートスクール」に関する実証事業に採択されている自治体である。全国でも有数と言える、先進的なICT教育を行ってきたこの町において、どのような教育が学校現場では実際に行われているのか。まなびポケットの活用シーンを中心に、ICT活用の実態とその効果について、新地町立駒ケ嶺小学校の情報教育担当である橘寿史先生にお話を伺った。

橘寿史先生
橘寿史先生
学校名
新地町立駒ケ嶺小学校
学校所在地
福島県相馬郡新地町
全児童数
164人
まなびポケット利用コンテンツ
schoolTakt、eライブラリforまなびポケット、eboard   
(利用予定:BANSHOT、WEBQU)
インタビュー対象者
橘寿史先生

デジタル教材へのアクセスが簡単に

デジタル教材へのアクセスが簡単に

まなびポケットは、普段どのようなシーンで使われていますか?

schoolTaktとeライブラリforまなびポケット(※以下eライブラリ)を中心に、授業において使っています。教室内での活用だけではなく、家庭への持ち帰り学習でも積極的に活用しています。

まなびポケットを利用し始める前と比べて、何か変化を感じられたことはありますか?

本校では、2017年4月からまなびポケットを使い始めています。それ以前は、各デジタル教材への入り口がバラバラでしたので、schoolTaktとeライブラリそれぞれにアクセスしなければならず、子どもたちは少し手間取っていることもありました。まなびポケットが入ってからは、一つの入口から両方を使い始めることができています。子供たちが操作に迷わず、扱いやすくなっているように感じていますね。

家庭への持ち帰り学習での活用に

家庭への持ち帰り学習での活用に

schoolTaktについては、どのようなシーンで使われていますか?

新地町では、授業において反転学習を取り入れていますが、特にschoolTaktは、家庭への持ち帰り学習で積極的に活用しています。学校が終わって放課後の時間になると、私は学校にいながらschoolTakt上で宿題を配布しているのですが、宿題が配布されるのを家で待っている子もいるようです。職員会議などがあって、なかなか私が宿題を配布できなかった時には、「先生まだ?」と、思っていたりするようですね。

子どもたちが、それだけ宿題を楽しみにしているというのも、すごいですね。

スクールタクト上では、子どもたち自身が作成した宿題に対してお互いにコメントをし合っており、大人であれば、SNSで行っているようなやりとりに近いような会話も、そこで行われています。子どもたちは皆、こうした交流もできるスクールタクトが、大好きなようです。また、こうしたやりとりは、私自身のアカウントがあるので目が届く範囲で行われていますが、使い方については制限をかけすぎず、ある程度、子どもたちに自由に触らせてあげるように意識しています。

情報モラルの観点としても効果がありそうですね。他にも、schoolTaktを使うことで良いと感じられる点はありますか?

schoolTaktを利用しない通常の授業では、クラスの全員の子から意見を聞くことは難しいです。どうしても発言する子が偏ってしまい、話を聞くことに専念してしまう子もでてきます。それがschoolTaktを使うことによって、子どもたち全員が自ら考え、それを自分なりに表現し、お互いにアドバイスを行えるようになっており、「あ、そんな解き方があるんだ」という発見をすることもできています。

子どもたち自身が、使い方のリクエストを出すようになってきた

子ども達自身が、使い方のリクエストを出すように

子どもたちから、schoolTaktを使う上での不便さなどは感じないですか?

子どもたちはschoolTaktを使いこなしていて、むしろ最近では、子どもたち自身が使い方のリクエストを出すようになってきました。ある授業の時、子どもたちがお互いの意見を出し合ったところで、まとまりきらずに、授業が終わってしまったことがありました。その時、子どもの方から「みんなの考えをタブレットの写真で撮って、あとは家で続きを勉強したい。だからschoolTaktで、宿題として出してほしい」と言われることあったのですね。授業の時間の中で収まりきらなかった内容があった時、それをschoolTaktの活用で補うようなことを、子どもたち自身のアイデアによって見つけることも最近は出てきました。

先生目線では、何かschoolTaktの使いづらい点などはないのですか?

これはschoolTaktに限ったことではないかとも思いますが、インターネットを使うサービスなので、学校のネット環境の調子が良くない時などは、少し動作が遅くなってしまうことは時々あります。ただ、サービス自体については、あまり使いづらいと感じることはありません。むしろ、「もっとこうしてほしい」「こういう機能を付けてほしい」と要望を伝えた時には、それに対して、驚くほど迅速に対応をしてもらえたこともありました。その時には、一度に表示できる画面の数を、一つから二つに増やしてもらったのですが、それによって、より個に応じた学びをできる環境を用意することができたと思っています。

一人ひとりの理解度に合わせて、ドリル学習を行える

一人ひとりの理解度に合わせて、ドリル学習を行える

eライブラリについては、どのようなシーンで使われていますか?

夏休みなどの長期休みの際、子どもたちはタブレットを家に持ち帰って勉強しているのですが、その時には、eライブラリを使ってドリル学習をしています。eライブラリでは、子どもたちがどの程度ドリル学習に取り組んでいて、どの問題に躓いているかなどが先生用の管理画面で簡単に分かるようになっていますね。夏休みなどでは時々、子どもたちの学習状況を見て「あ、よく頑張っているな」と分かりますし、子どもたちの取り組み方が目に見えるのが、先生の立場として助かる機能だと感じています。

家庭への持ち帰り学習で使うと、活用の幅が広がりそうですね。長期休みだけでなく、
日常でもeライブラリは使われていますか?

もちろん、普段でも使っています。自習を行うときもそうですし、授業の際に早く課題が解き終わった子どもがeライブラリで復習を行っていたり、学期や単元ごとのまとめのタイミングでも、eライブラリを使うことはよくあります。schoolTaktと同じように、日常的な持ち帰り学習でも使っていますね。

eライブラリの子どもたちの評判はどうですか?

間違えてしまった問題を、もう一度トライできること、一問一問に対して、じっくりと取り組めること、子どもたちはこの辺りが気に入っているようです。どうしても問題が羅列されてしまうプリントなどの紙媒体に比べると、それが子どもたちは問題に集中しやすいようです。ここは感じ方の違いでもあるのですが、こうしたスモールステップに取り組めるような構成が、子どもたちが意欲的に問題に取り組もうという姿勢に、良い影響を与えていると思います。一人ひとりの理解度に応じて、基礎から応用まで問題のレベルを選択できるので、そうした点も良いですね。

一人ひとりの理解度に合わせて、ドリル学習を行える

同じくドリル系の教材として、eboardを使うこともありますか?

授業であまり理解できなかった部分を、長期休みなどを使って学び直したいと思った時に、eboardを使っている子どもがいますね。グラフィックと音声が両方あるので、子どもにとってスムーズに理解ができる構成になっていると感じています。

ありがとうございました。